演劇集団キャラメルボックス 1997サマーツアー 「嵐になるまで待って」 放送日:2002年6月16日(東京MXテレビ)
収録日:1997年8月9日(サンシャイン劇場)
<あらすじ>
ユーリ(岡田さつき)は声優を目指す女の子。
あるオーディション会場で、活躍中の作曲家・波多野と出会う。
緊張するユーリに優しく話しかける波多野。
そしてユーリの目の前で、信じられない事件が起こる。
波多野は、誰にも聞こえない第二の声で、人の心を操る力を持っていたのだ。
しかし、なぜかユーリだけには聞こえてしまう。
それに気づいた波多野は、ユーリの声を奪おうとする……。
<キャスト>
ユーリ 岡田さつき
幸吉 今井義博
波多野 岡田達也
雪絵 明樹由佳
滝島 山田幸伸(劇団SET)
勝本 南塚康弘
チカコ 石川寛美/中村亮子
津田 大内厚雄
広瀬教授 西川浩幸/細見大輔
<8月9日収録時・キャスト>
ユーリ 岡田さつき
幸吉 今井義博
波多野 岡田達也
雪絵 明樹由佳
滝島 山田幸伸(客演)
勝本 南塚康弘
チカコ 石川寛美
津田 大内厚雄
広瀬教授 西川浩幸
<感想>
16日に東京MXテレビで放送された「キャラメルボックスTV」の感想です。
今度の夏公演が「嵐になるまで待って」の再々演ということで、再演版の放送をしたそうです。
収録は97年の8月9日・サンシャイン劇場での公演を収録したものでした。
最初の場面は、広瀬教授演じる西川浩幸さんと出演者全員による、手話を取り入れたダンスから始まります。
この場面のダンスがかっこよかったです。
次の場面は波多野雪絵さんが広瀬教授の研究室に訪ねてくる場面です。
雪絵さんを演じているのは、明樹由佳さんです。
雪絵さんは手話で、広瀬教授に手紙を渡して欲しいと頼んで去っていきます。
その手紙はユーリにあてて書いたものでした。
この後の話の展開は、要所要所に、西川さんのナレーターが入って話が進められていきます。
次の場面は、アニメ声優オーディションを行っている東京映像のスタジオの場面です。
声優のオーディションを受けに、岡田さつきさん演じる君原友里がやってきます。
ユーリは昔 歌をやっていたそうですが、自分の声が男の声みたいで嫌いなので、声優の道へ転向したといっていました。
このあと、オーディションで、男の子・ユースチスの声を当てるように言われ、すでに声優になっているチカコちゃんと一緒に、掛け合いで やっていきます。
オーディションの場面が終わり、次はユーリの家の場面。
ユーリは恋人の幸吉くんに電話をかけ、オーディションを受けてきたことを話します。
全然受かる自信がないというユーリに、「初めてだったんだからしょうがないじゃないか。いい勉強をさせてもらったと思えば」と、幸吉くんは言います。
幸吉くんと話をしているときに別のところから電話がかかってきます。
ユーリは幸吉くんに断って、そっちに出ます。
電話は、先ほど受けたオーディションのスタジオディレクターの滝島さんからでした。
滝島さんは、ユーリに合格したことを告げます。
ユーリは気が動転してしまい、滝島さんの話を最後まで聞かずに、電話を幸吉くんのほうに切り替えてしまいます。
「私、合格だって!」
「おめでとう。よかったな!!」
ここで、この場面は終わります。
この最後に西川さんのナレーターが入りました。
「君原さんが滝島さんの電話に気づいたのは、それから1時間45分後のことでした。もちろん 滝島さんにはしかられました。 『おまえは今日からプロなんだぞ!』と言われ、君原さんはその重さを実感しました。」
アドリブが入っていて面白かったです。
次は東京映像のスタジオの場面。
この場面でユーリは思いがけない出来事に遭遇するのです。
ユーリがスタジオへきたところで滝島さんは、ユーリと声が似ている人がいることを話します。
それは、男性であるとも言います。
そこへ、音楽担当の波多野とお姉さんの雪絵さんがやってきます。
波多野を演じているのは、岡田達也さんです。
お姉さんの雪絵さんは耳が聞こえないため、相手の言葉を聞くことができません。
手話で会話をしていました。
しばらくして、俳優の高杉さんもスタジオにやってきます。
波多野は高杉さんに曲をつけるために、歌を歌って欲しいと頼みますが高杉さんは聞き入れません。
それどころか、高杉さんの親友の熊岡さんのことで波多野と喧嘩になってしまいます。
高杉さんは熊岡さんを死に追いやったのは、波多野だと思っているのです。
そこへ記者の津田さんが高杉さんにインタビューをしたくて尋ねてきます。
けれども、波多野と言い争っている高杉さんは、インタビューには応じません。
「死んでしまった人の話なんかやめて、これからの話をしましょう」
この彼の一言にカッとなった高杉さんはお姉さんの雪絵さんに詰め寄ります。
「あんたなら知ってるよな? 弟がなにをやったのか」
「はなせ!」
「おまえは黙ってろ!!」
「はなせ!!(死んでしまえ!!)」
高杉さんは、その場から立ち去ります。
ユーリの耳にははっきりと、波多野が「死んでしまえ」といったのが聞こえたのです。
けれども、周りの人々には聞こえませんでした。
ユーリだけが聞いた、「死んでしまえ」という声。この声がいったいなんなのかが非常に気になるところです。
ちなみにこの場面の演出が非常に良かったです。
達也さん自身は「はなせ!!」と言っていて、その声にかぶるように「死んでしまえ」と声が入っているのです。
多分、この「死んでしまえ」の声は、テープかなにかで録音した声なのではないかと思われます。
ユーリは家へ帰ってから、幸吉くんに電話をかけ、今日あった出来事を全部話します。
ある人の声が自分には2つ聞こえた、と。
ユーリの話を聞いた幸吉くんは 精神感能力を使ったのではないかといいます。
次の日。
スタジオで、滝島さん、波多野、ユーリがうちあわせをしているところです。
滝島さんは波多野に高杉さんがきていないといいます。
すると、「僕は5日後にはニューヨークに帰らなければならない。 今回は高杉くんなしでやりましょう」と波多野は言います。
そして、滝島さんはこういいます。
波多野さんとユーリの声が似ていると。
「僕ですか?」と、波多野もびっくり。
すると、ADの勝本さんも「昨日高杉さんに言った、はなせって言う声 オーディションで聞いた君原の声とそっくりでしたよ」と言います。
滝島さんはユーリに波多野と一緒にレッスンするようにと言います。
ユーリは昨日の「死んでしまえ」といった声がこわくて、レッスンどころではありません。
波多野は「もしかして、僕と2人きりになるのがこわいのか? 僕は何もしないよ。さあ、レッスンに行こう」と、ユーリの手を引きますが、ユーリはその手を振り払います。
「君原! 波多野さんに謝れ!!」
「いいんですよ! さあ、こっちへきて。 こわがらなくていいから。さあ」と、波多野は優しくユーリに声をかけますが、ユーリはその場から走り去ってしまいます。
ところが、そのときに ユーリは大事に持っていたペンダントを落としてしまうのです。
それを拾ったのは、波多野でした。
続いて、ユーリの家の場面です。
電話がかかってきたので、ユーリは受話器をとります。
電話の相手は波多野でした。
「波多野です。いきなり電話してごめんね。 昼間は驚いたよ。僕と声が似てるって言われたこと、相当ショックだったんじゃないかな? それであんなふうにとび出していったんだろう?」
「昼間はどうもすみませんでした」
「実はあのあと、ペンダントを拾ったんだ。 黄緑色のクローバーのペンダントなんだけど、おぼえはある?」
「それ、私のです」
「やっぱり。大切なものだったら困ってるんじゃないかと思って。 それで滝島さんに君の連絡先を聞いたんだ。 これから、僕の泊まってる品川プリンセスホテルにとりに来ないか?」
ユーリは断りますが、波多野は強引にホテルへ来るように言って、電話を切ります。
相手の気持ちを考えないひどい人だなあと思いました。
波多野は雪絵さんに、ロビーに行ってくる、一緒に仕事をしている人が会いにくる、すぐに戻ってくると手話で伝えて部屋から出て行きます。
ユーリは、波多野が泊まっている品川のホテルへ向かいます。
ロビーで波多野が待っていました。
ユーリは昼間のことを謝り、ペンダントを返してもらうように頼みますが、波多野はこのペンダントに関して ユーリに質問を浴びせます。 このペンダントは誰からもらったのか等。
そして、しまいには幸吉くんのことも持ち出して、ユーリをさらに苦しめます。
「君は、幸吉くんのことが好きなんだ。 でも、声が男の子の声みたいだから告白できずにいる」
「そのペンダント返してください!!」
「彼に好きになってもらう方法はひとつ。 そんなことしたら声優の仕事は出来なくなるが」
「やめて…!」
「それは君が声を出さないことだ!!」
「やめて、もう聞きたくない!!」
波多野はユーリに暗示をかけ、彼女の声を奪います。
『君が声を出さなければ、彼は君を愛してくれる』
この直後、ユーリは無表情になってしまいます。
「ごめん。ちょっと言い過ぎたみたいだ。気に障ったんなら謝るよ」
ユーリは、その言葉には答えずにホテルを立ち去ります。
「忘れ物だよ」
波多野はユーリの手のひらにペンダントをのせてやります。
そこへ雪絵さんがやってきます。
波多野が戻ってくるのが遅いので心配していたのでしょう。
波多野は手話で「一緒に仕事をしている人って言っただろ。 ペンダントを取りにきたんだ。 ちゃんと返してあげたよ。彼女、とっても喜んでた」と、雪絵さんに伝えます。
その帰り、ユーリは幸吉くんに電話をかけます。が、声が出ません!!
最初は幸吉くんも「俺をからかってるのか?」と言っていましたが、しばらくして ユーリの声が出ないことに気づきます。
「もしかして、声が出なくなったのか? Yesなら1回、NOなら2回受話器をたたけ」
ユーリは受話器を1回たたきます。
幸吉くんはポケベルで50音表を横と縦の数字にあらわして、その回数だけ受話器をたたく方法を教えます
その方法でユーリは受話器をたたいて、場所を幸吉くんに教えます。
品川駅にいることを知った幸吉くんは、ユーリにすぐに迎えに行くからそこを動かないように言います。
次の日、幸吉くんはユーリを連れて病院へ行きます。
医師の早川先生はユーリののどを詳しく診察しましたが、異常なし。
病気ではなく、精神的ショックから声が出なくなったと推測した早川先生は、精神科の広瀬教授を紹介します。
ユーリと幸吉くんは広瀬教授の研究室を訪ねます。
広瀬教授は「早川先生から話は聞いています」といって、ユーリに声が出なくなったときのことを話してもらうように頼みます。
「11時ごろ、俺に電話をかけてきたときに声が出なくなったことに気づきました」と、幸吉くんは説明します。
広瀬教授はそのときのことを詳しく話すようにいます。
ユーリは筆談で、波多野と品川プリンセスホテルのロビーで会っていたことを伝えます。
「波多野さんはどんな人なんだ?」
この幸吉くんの質問に対し、ユーリは筆談で「こわい人」と伝えます。
「そのとき、波多野さんになにかひどいことを言われませんでしたか? 例えば、『あなたと一緒に仕事をしたくない』とか」
「それが精神的ショックを与えたって言うんですか?」
「あくまでも一つの可能性ですよ」
「どうなんだ? ユーリ」
ユーリは本当のことを話そうとしません。
話しても、信じてくれないと思っているのでしょうね。
「あなたが心を開いてくれなければ、僕にはどうすることもできません。 時間がかかるようなら、いくらでも待ちます。 もし、話せるようになったら ここに電話してください」
「でもユーリは声が出ないんですよ!」
「そうか。電話がかかってきても、誰からかわからないなあ」
幸吉くんは広瀬教授に、ポケベルで50音表を横と縦の数字にあらわして、その回数だけ受話器をたたく方法を教えます。
「受話器を8回と3回たたく。 そうすれば、あなたからの電話だと判断します」
ユーリは広瀬教授の机のところにおいてあった新聞を目にして、ジェスチャーで幸吉くんを呼び寄せます。
「今朝の新聞ですよ。なにか面白い記事でもありました?」
「高杉雄二自殺未遂!?」
「高杉雄二って?」
「ユーリが一緒に仕事をしている仲間です。昨日午後7時ごろ、東京都奥多摩の林道脇のがけ下で、高杉雄二さん所有の自家用車を発見。 警察が内部を捜索したところ、運転席で倒れている高杉さんを発見」
その瞬間、ユーリは倒れてしまいます。
「ユーリ!!」
次の場面は、高杉さんが入院している聖セシリア病院の場面です。
波多野が雪絵さんを連れて、高杉さんのお見舞いにきていました。
そこへ津田さんがやってきて、波多野に高杉さんのことを尋ねます。
津田さんは高杉さんがこんなことになったのは、波多野に原因があるのではないかとにらんでいたのです。
何度もしつこく聞いてくる津田さんに対し、波多野は2つめの声で『僕は何もしていない!!』と暗示をかけます。
「そうですね。 あなたは何もしていない。 お時間をとらせてすみませんでした」といって、津田さんは立ち去ります。
不安そうにしている雪絵さんに、「僕の言うことを信じてくれたんだ。心配ないよ」と波多野は手話で伝えます。
そこへ、滝島さん、勝本さん、チカコちゃんがお見舞いにやってきます。
それとほぼ同時に高杉さんが現れます。
「来週の録音には間に合うのか?」
「ええ。それまでに退院できると思います」
「でも、今回の歌はなしってことで」と、波多野は言います。
そして、「口に合うかどうかわからないけど、ケーキを買ってきたんだ。よかったら食べてください」と、彼は高杉さんにケーキを渡します。
しかし、高杉さんは甘いものが苦手だといって、勝本さんに渡します。
病室へ戻る際、「滝島さん、波多野さんに伝えてください。 もうけがをするのはごめんだって」といって、高杉さんは病室へ戻っていきます。
高杉さんが病室へ帰ったあとで、ユーリと幸吉くんがやってきます。
「君原、おまえ風邪で休んでたんじゃなかったのか?」
滝島さんたちには、風邪で声が出なくなったということにしてあるのです。
「それなのに、男と歩いているってことは、波多野さんに会うのがいやで仮病を使ったな?」
「そんなことない!! ユーリちゃん、本当に声が出ないんでしょう?」と、チカコちゃんが心配して聞きます。
「君原、録りは来週からだ。それまでに声が出せるようにならなければ、おまえには役を降りてもらう。ユースチスはオーディションでおまえの次に受かったやつにやらせる。 文句はないな?」と、滝島さんは言います。
ユーリはうなずきます。
「役を降ろされたくなかったら、早く治すんだ。男なんかと遊んでないで」といって、滝島さんは去っていきます。
幸吉くんと2人だけになったユーリは、高杉さんがけがをしたのは、波多野が原因であることを筆談で知らせます。
けれども、幸吉くんは信じてくれません。
そこへ津田さんもやってきて、「波多野はなにもしていない」と言います。
そして、津田さんは高杉さんの病室へ行って、高杉さんと話をします。
高杉さんは「熊岡恭太郎の死について調べてほしいんだ」と、津田さんに頼みます。
ユーリは幸吉くんになんとか信じてもらいたくて、今まであったことすべてを紙に書いて伝えます。
波多野の声には人を操る力があること、2つめの声で高杉さんを操ってけがをさせたこと。
しかし、幸吉くんは「ユーリが思い込んでいるだけだ。波多野さんの2つめの声は、おまえの声だったかもしれないんだ」と言います。
ユーリは、「それじゃあ、私の声を出せなくしたのは私ってこと?」と紙に書きます。
「そうだよ。ユーリは自分の声が嫌いじゃないか!! だから歌をあきらめて声優になったんだろ? でも大きな役で不安だった。その不安な気持ちが声を出すなって命令したんだ!!」
ユーリは再び紙に「もし、それが私自身だったら 私はあんなこと言わない」と書きます。
「あんなことってどんなことだよ!? ユーリは波多野さんになんていわれたんだよ? 本当のことを言ってくれなきゃわからないじゃないか!!」
幸吉くんにそういわれ、ユーリは泣きながら、波多野が暗示をかけた言葉――「君が声を出さなければ、彼は君を愛してくれる」と書きます。
「ユーリ、この 彼っていうのは…?」
ユーリは幸吉くんをじっと見つめ、泣きながら走っていきます。
幸吉くんはユーリが自分のことを想ってくれていたことに初めて気づくのでした。
「そうか。ユーリは俺のために…!!」
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